運動の始め方＆走りの始め方特集

何か運動をしたいけれどなかなか…という会社員はきっと多いはず。ハイテクスポーツ塾・中島コーチの、アフターファイブの運動の始め方、そしてご専門であるランニングの始め方のアドバイスです。

中島進さん

市民ランナーだった谷川真理さんを、日本トップレベルのランナーに育てたコーチ。現在も数々の市民ランナーをトップアスリートへと育てている。人気モデル・長谷川理恵さんのマラソンコーチを担当していることでも有名。現在、谷川真理さんとともにハイテクスポーツ塾を主宰。

谷川真理さん

現役ランナーの他、タレント、スポーツキャスターとしても活躍中。著書「走って、食べて、ヘルシーライフ！」（PHPエル新書）が好評発売中。

スポーツジムに行こうと思うのですが、どの程度の間隔で通えばいいのでしょうか？

週２回は通うことが基本です

久しく運動をしていなくてこれから始める人も、運動よりダイエットが目的の人も、スポーツパフォーマンスを上げたい人も、皆、ジムには週2回は通うことが基本です。よく「体で覚える」と言いますが、実際は練習を重ねることで体や筋肉の動かし方を脳が覚え、脳からの指令で体が動くのです。しかし、練習の間隔が1週間もあくと脳が忘れてしまい、いつまでたってもきちんと運動できません。ジムに行く週２日以外の日にも、家の中や外で少しでも運動すると、ぐっと効果が上がります。

アフター5に運動をするとき、運動の前と後、どちらに夕食を取るのがいいですか？

体質に合わせて選べばいいでしょう

運動面的には、実はどちらでもいいのです。人によっては運動前に食べるとおなかが痛くなったりしますよね。僕は逆に全然平気なタイプで、これは慣れもありますが、体質的なものもあると思います。だから、自分にはどちらが合うか、試して選ぶのがベストでしょう。ダイエットを考えている人は運動後、夜遅くに食事するのは不安かもしれませんが、運動をしないで寝る前に食事するよりは、ずっといいはず。早くに夕食をとっても全く運動しなければ、その方がダイエット効果は低いのです。

これまでにも運動を始めたたことがありますが、2～3回やってそれきり。続かないのです。

頑張りすぎず、自分にお楽しみを許してあげましょう

運動を始めたら、一番大切なのは長く続けること。スポーツの後のビールはおいしいでしょ。たとえダイエットが目的で、多少体重の減り方が遅くなったとしても、こういう楽しみは自分に許してあげましょう。そして、運動も食事と同じで腹八分目が鉄則。ギリギリまで体を追いつめてしまうと、つらい、大変、という思いばかりになりイヤになってしまいます。もう少しできる、もうちょっとやってみたい、と思うところでやめて、スポーツ後の楽しみは自分に許す、これが長く続けるコツです。

マラソンを始めるに当たって、用意すべき物ってありますか？

靴だけはきちんとしたものを用意

靴だけはきちんとしたものを用意しましょう。これはケガを防ぐためにも重要なポイントです。テニスシューズ、マラソン用、エアロビクス用など、全て少しずつ足の保護のポイントや特徴が違いますから、自分がやろうとしている運動に合った靴を選ぶことはとても大切。足は夕方に最も大きくなるので、靴は夕方選ぶのがベストです。また、マラソンの場合、初心者は底が厚くクッションがしっかりした靴を選ぶといいでしょう。

ジョギングには興味はあるのですが、どのように走ったらいいのかわかりません…。

いきなり走らず、まずはウォーキングから

初心者はウォーキングから始めましょう。いきなりガンガン走り始めると苦しくてイヤになったり、脚を痛めてしまうことが少なくありません。まずは速さにこだわらず、30分間ウォーキングすることを目標に。楽に30分歩けるようになったら、ウォーキングの間に軽いジョギングをはさむようにします。最初は５分間ぐらい、息が切れないくらいのゆっくりしたペースで走ります。５分間がらくらく走れたら、10分、15分と伸ばしていき、まずは30分間のランニングを目指しましょう。

マラソンをはじめどんな運動でも、ケガや故障を起こさないためには絶対に無理をせず、自分の体力や筋肉の状態に合った運動をするのが基本です。その意味ではスポーツジムなど、客観的に見てアドバイスしてくれる人がいると安心。運動の前後には屈伸など筋肉や筋を伸ばすストレッチを十分にすることも重要で、これも１人より２人でやる方が効果的です。
　また、筋肉痛といった筋肉の炎症が続くのは72時間程度。72時間たっても治まらない場合は単なる筋肉痛ではないので、すぐに整形外科など専門家に見せることをすすめます。早めに正しい処置をすれば2～3日休んだだけですぐ治るものを、痛みがあるのに放っておいたり勝手な素人判断で運動して悪化させてしまい、結局３カ月運動できない、というケースも少なくありません。そうならないためにも、くれぐれも無理は禁物です。


ハイテクスポーツ塾は神田神保町1丁目にある日本唯一のマラソン専門ジム。スタッフは右の田中さんをはじめとして、皆、マラソンの専門知識あり。