日本のお正月と言えば着物、着物と言えばお正月。というわけで、着物がジャケットになったアルバムを集めてみました。意外にも、探してみるとたくさんあります。その理由は、邦楽アーティストにとっては、「自国の民族衣装を着なきゃはじまらん!」ということでしょうか?!
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日本髪の次世代ジャポニスム!うめ吉『お座敷小唄』全米ツアーにフジロック出演も果たした三味線弾きの歌唄い・うめ吉さん。艶やかな着物姿はご本人です。落語芸術会所属のお囃子連として活動後、自らも俗曲師として高座デビュー。端唄・俗曲の世界に「追っかけ」が出現するという前代未聞の異風を巻き起こす新星です。ジャズアレンジのお座敷唄にのるエンジェルボイスが、なかなか癒し系でもあります。
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オルガン界のジミヘンも、着物がお好きエマーソン・レイク・アンド・パーマー『ベスト・オブ・EL&P』キース・エマーソン、グレッグ・レイク、カール・パーマーのプログレ3人組による、一番最初の公式ベスト盤。日本の浮世絵のジャケットは、富士山が描かれ、落款も入った本格的なもの?と思いきや、女性の髪のかんざしは、まるでキースの破壊的オルガンアクションを彷彿させるかのような突き刺さり方。座敷なのに下駄履いてるし。楽しい秀逸ベストです。
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着物は濡らしちゃいけないよベンチャーズ『VENTURES IN JAPAN 第1集』1965年1月、ベンチャーズが初めてフルメンバーで来日したコンサートの模様を収録した一枚。ジャケットは、東京・赤坂の日坂神社。メルと和服の女性が相合い傘をし、それを他の3人のメンバーがなぜかギターをもって眺めているという設定。ギターは雨に濡れていいの?ギターより日本女性と着物が大事なのさ、という親日家らしいメッセージでしょうか?
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アジアへの扉は、やっぱり着物!松任谷由実『水の中のASIAへ』27才の若かかりしユーミンが、シンガポールの最高級ホテル・ラッフルズホテルで、自国の民族衣装を纏ったジャケット。アルバム全体がアジアをテーマとしており、インドネシア・香港・中国などを舞台とした曲を収録。発売当初は12インチEP(45回転)でのリリースで、シングルと勘違いして33回転で再生する人が多く、「声がひどすぎる!」というクレームがあったという名盤です。
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襦袢はレーシー、中ジャケは網タイツはなわちえ『月のうさぎ』上妻宏光と同門の津軽三味線奏者・はなわちえが、東京芸大在学中に出したデビューアルバム。襦袢の袖口からのぞく白いレースに若さを感じてジャケットを開けば、中面では赤いチェックのミニスカートに網タイツ姿で三味線を持つちえちゃんもおがめます。「よされ節」などの伝承曲に加え、ジャンルを超えた現代曲の軽快なアレンジも聴かせてくれます。
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切手コレクターにも人気です?!矢野顕子『JAPANESE GIRL』矢野顕子さんご本人が着物を着た「LOVE LIFE」も有名だけど、あえてデビューアルバムを。発売当時のアナログ盤は、A面が「AMERICA SIDE」でリトル・フィートとのセッション、B面が「日本面」で細野春臣・ムーンライダーズの面々が参加、という形でした。CDでは5曲目で分かれてます。ジャケットは切手モチーフで、「日本郵便」が「日本少女」になってますね。
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奇妙な2人の魔法にかかりましょうスパークス『キモノ・マイ・ハウス』トッド・ラングレンに発掘され、ニューウェイヴの先駆けとなったカルトユニット・スパークスの73年のデビューアルバム。ジャケットで女装する2人はご本人達!兄弟です。クィーンのフレディは彼らの大ファンで、あのファルセット歌唱は、スパークスの模倣から生まれたんだとか。中ジャケには、意外にハンサムな素顔も。近年はピチカートファイブのアルバムに参加してます。
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洋服で言えば、下着姿です中島みゆき『歌暦』真っ赤な襦袢姿で舞台に立つみゆきさんのジャケットです。86年の両国国技館のライブを収めた限定アルバムで、CDでは初めてのドルビーサラウンド方式を採用した作品としても話題になりました。ライナーに詳しい技術解説が記されているのもなかなか新鮮。今では入手困難な一枚です。とくに、このライブ盤でしか聴けない「悪女」のアレンジは秀逸!歌姫としての力を思い知られます。
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意外にも、エロジャケだそうですスピッツ『花鳥風月』草野正宗氏が「下駄の素足の小指のツメって、たまらなくエロいよね」と言ったとか言ってないとか。中ジャケには首筋のアップもあります。こちらも正宗好みでしょうか?シングルのB面曲・未発表音源・インディーズ作品・提供曲のセルフカヴァーなど、「アルバム未収録曲」ばかりを集めた、メンバー自身によるセレクト盤。当初、アルバムの仮タイトルは「裏街道」だったそうです。