神保町紳士録Vol.4 エチオピア 鈴木堅司「本とカレーの物語
「一番大きな理由は、辛味による刺激が発汗を促し、身体の新陳代謝が良くなるからでしょう。体内からの刺激ですので、暑い寒いに関係なく、いつでも召し上がってください。
また、カレーに使うスパイスには健胃や抗酸化作用があるものが多く、食欲を増進させ、胃腸の働きを高めます。疲労回復にも一役買っているんですね。ちなみに当店のカレーは、玉ネギ、ニンジン、セロリといった代表的な野菜に、10種類以上の荒削りな香辛料や薬味を組み合わせ、スパイシーに仕上げております。
季節によって野菜のコンディションが変わるので、そのたびにスパイスも微調整しています。油を抑え、後味がすっきりしているのが特徴ですね」
「片手で本を読みながら、スプーン1本で手軽に食べられるので、カレーが重宝されたといわれています。まあ、これはあくまでも通説ですので、どこまで本当なのかというと、ちょっとわからないのですが…。いかにも『本の街』らしいもっともな理由ですので、私なりに納得しているんですよ。
ちなみに20年前に当店がオープンした頃は、今のようにカレーの店が林立しているわけではありませんでした。それ以前から営業していたのは、共栄堂さんやボンディさんあたりでしょうか」
「長いつき合いといいますか、じつはとてもお世話になっているんです。当初はカレーとコーヒーの店として開店しましたが、二階席のみの営業ということもあり、なかなかお客さんが増えてくれなくて大変でした。そんな時に応援していただいたのが、通りの向かい側にある東京古書会館の方々だったんです。いろいろな方にすすめてくださいまして、本当に感謝しております。もちろん、私自身が古本屋さんを覗くことも多々あります。戦記ものや軍事関係に興味があるので、散歩がてらブラブラと、その方面に強い書店さんをはしごすることもありますよ」
「やはり世界に誇る古書店街ですね。これが一番。あとはスポーツショップが並ぶ通りでしょうか。私はマリンスポーツが好きなので、その手のグッズを買ったり物色したりするのが楽しいですね。とにかく多彩なジャンルのお店があるので、古書と同じく、ゆっくり歩きながら自分にピッタリの店を探してみてはいかがでしょうか。そしてお買い物に疲れたら、ぜひカレーを食べてリフレッシュしてくださいね!」
インドカレーを語る時には、必ずといっていいほど名前が挙がる神保町の名店。荒削りなスパイスをふんだんに使用した鋭い味が特徴です。
住所/神田小川町3-10-6
TEL/03-3295-4310
営業時間/11:00〜22:30
(2Fは〜21:30)
定休日/年中無休
HP/オフィシャルサイトはこちら