神田古書店街の五傑が登場!「イケブラファイブ」其の五
古書店野球チーム「東京リブレール」の若きエース!
ナビブラ読者の皆様、初めまして。小林書房の小林光寿です。
僕には、他のイケブラにはない特徴があります。それは…まず若い!ということ(笑) 僕のイケブラ加入は、イケブラFIVEの平均年齢をさげるためですよ。
そしてもうひとつ。うちのお店は、事務所営業という形なんです。店頭販売でなく、目録による通信販売です。仏教書が専門なので、お客様はお寺の住職さんや大学の先生など、専門的な方がほとんど。東京以外の地方のお客様も多いので、商品は全て郵送でお届けしています。だから、お客様と直接お会いすることはめったにないんですよ。
神保町で受けた洗礼が「やさしさ」でした
祖父が神保町に事務所を開業して、僕が3代目です。僕は大学卒業後すぐにこの業界に入ったのですが、事務所営業な上に職員は家族だけ…当初は、すごく閉鎖的なイメージがあったんですよ。でも実際には、古書店同士の横の繋がりが強くて、びっくりしました。僕が道を歩いていれば、同業の方々は「小林書房の息子」とわかって声をかけてくださる。「ああ、自分もこの街にいていいんだ」と思わせてくれたというか、まるで故郷に帰ってきたように暖かく迎えてくれました。この神田神保町で、一番最初に感じたのが「やさしさ」でしたね。「ここに来て本当に良かった」という思いです。
離職率の低い、幸せなお仕事です
イケブラFIVEの中でもそうですが、神保町の古書店全体の中でも、僕は年齢的に一番の下っ端。先輩方は、仕事へのプライドをしっかりと持ちながらも、普段は本当に和気あいあいとしていますね。いい意味で我が強く、だけど決してギスギスしていない。古書店という「商売」であり、お互いライバルでもあるのだけど、それぞれが「文化」という誇りを大切にしているのだと感じます。また、そういったことを言葉で諭すのではなく、背中でそっと教えてくれるような「押しつけないやさしさ」がある。きっと先代達から綿々と受け継がれてきたこの街独特の空気なのだと思いますが、神田古書店街という「誇り」が、「やさしさ」と対となって満ちている気がしますね。
古本稼業というのは、本を売る人も買う人も、その間に入る僕らも、三者共が嬉しい思いをする「幸せなサイクル」だと思うんですよ。放っておけば歴史に埋もれていってしまうかもしれないものを、僕らがピックアップし、欲しがっている方の元へお届けできる。すごくやりがいがある職業ですね。その証拠に、古本屋は離職率がすごく低いんですよ! つまらなくて辞めていく方というのは、ほとんどいないと思います。
僕自身の「やさしさ」は、まずはやっぱり「本」に関して詳しくあること。それがお客様への一番の誠意ですよね。特にうちは対面販売ではないし、専門的なお客様ばかりですから、お問い合わせにいつでもきちんと答えられる存在でありたいです。
- 住所: 神田神保町2-2
- 定休: なし(年末年始をのぞく)
- TEL: 03-3288-0333
- 営業: 平日・土 11:30〜23:00(L.O.22:00)
日・祝 12:00〜22:00(L.O.21:00) - URL: http://www.sinsekai.com/kankyo
- ■ 2008年12月15日 其の拾 僕たち、普通の古本屋に戻ります?!「2008年イケブラFIVE大賞」
- ■ 2008年11月15日 其の九 第49回神田古本まつり 独占レポート「志の輔古書店ができるまで」
- ■ 2008年10月15日 其の八 「雨音は去年の調べ♪」玉英堂書店 斉藤良太×日本書房 西秋幸男
- ■ 2008年09月15日 其の七 「おしえてイケブラさん!」沙羅書房 初谷康行×悠久堂書房 諏訪雅也×小林書房 小林光寿
- ■ 2008年08月15日 其の六 元祖イケブラ★リターンズ!玉英堂書店 斉藤良太×日本書房 西秋幸男
- ■ 2008年07月15日 其の五 やさしさ担当・小林書店 小林光寿「やさしさは古書店のララバイ」
- ■ 2008年06月15日 其の四 おしゃれ担当・日本書房 西秋幸男「飾りじゃないのよファッションは」
- ■ 2008年05月15日 其の三 グルメ担当・諏訪書房 諏訪雅也「街と、食と、イケブラの私♪」
- ■ 2008年04月15日 其の弐 スポーツ担当・沙羅書房 初谷康行「メタボ知らずな筋肉イケブラ」
- ■ 2008年03月15日 其の壱 気合い担当・玉英堂書店 斉藤良太「イケブラになるつもりじゃなかった」