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その理由は、失恋ではありません。

　ナビブラ読者の皆さん、お久しぶりです。僕のことを覚えておいででしょうか。昨年９月に、「イケブラ対談」でナビブラに初登場した西秋幸男です。え？ あの時と髪型が違う？ 髪型がおかしい？ 髪型が変？ はい、ごめんなさい！！“36才・独身男”には、いろいろなやむなき事情が……（笑）

　さて、今日は「おしゃれ担当」という僕にピッタリのお題。おしゃれは大好きなのです。服にはいつも気をつかっていますよ。え、そうは見えない？ では、僕のこだわりの「古本屋のファッションスタイル」を、披露しましょう！

ユキヲスタイルは、冷静と情熱の間？！

　古本屋の主な仕事は、毎日開かれる市場の運営、店の在庫管理、店頭での接客、そして外回り。まず、市場での仕事は、かなりの肉体労働です。本を仕分けし、束ね、階段を何往復もして運ぶんです。さらに、古本に埃はつきもの。だから、本当は作業着が一番適しているんだと思います。

　一方で、店頭ではお客様との対面業。僕らは、定価よりも高い価値のついた本を取り扱うことがほとんどですから、作業着での応対なんてもってのほか。外回りでは、図書館などの公共機関やお客様のご自宅に伺うことも多いので、あまりラフな格好では、信用が得られません。

　だから、実は「スーツ」が基本スタイル。この業界に入った当初は、きちんとネクタイもしてました。でも、本を紐で縛る際、ネクタイも一緒に縛っちゃって間抜けな格好になるんです（笑）それに、革靴は滑るので、本を持ち運ぶのに危険。大切な商品を落としてしまっては、元も子もない！ そうして、だんだんと定着したのが「上下スーツでノーネクタイ、足下はスニーカー」の“ユキヲスタイル”。この格好の坊主がいたら、それは間違いなく僕ですよ（笑）

プールオムの香りを、神保町の風にのせて

　時代を超えて今に残されている本を、次の欲しい方のもとへ。お客様から「探していた本が見つかって嬉しい、ありがとう！」と言っていただけるこの仕事を、僕はすごく誇りに思っています。しかし、そんな“誇り”と一緒に、古本屋という稼業は積年の“埃”との格闘でもあります。とにかく服が汚れるのです。白シャツの袖口の汚れは、前職の2倍になりました。この解消法は、着る前にベビーパウダーを袖口につけるんです（笑）テレビ番組で、「皮脂汚れを防ぐワザ」として紹介してたんですよ。たしか「伊東家の食卓」だったかな？ なるべく汚らしい印象にならないように、陰ながら気を遣っているんですよ。

　本を扱うとすごく手が荒れるので、「ロクシタンのハンドクリーム」を愛用中。そして、アクセサリーがわりに纏う香りは、高校時代から20年以上使っている「アルマーニのプールオム」。お客様に“本と出会う幸せ”を、このプールオムのほのかな香りと共に、届け続けます！