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「本屋大賞」の仕掛人に聞きました! 本の雑誌社 杉江由次さん 直撃インタビュー 書店に勤務する人たちが選ぶ文学賞として注目を浴びる「本屋大賞」は、いかにして作られたのか。また、業界における“神保町”の位置とは?ナビブラ神保町が、仕掛け人のひとりである杉江由次さんに直撃インタビューを敢行!
書店員、編集者を経て「本の雑誌社」に入社。現在は営業部長を務める。本屋大賞を立ち上げたメンバーのひとり。
―本屋大賞とは?

本を売っている現場の声を聞いてもらいたくて作った、今までにないまったく新しい形の賞で、インターネットを通じて全国の書店で働く人たちが投票を行います。正社員は言うに及ばず、アルバイトの学生さんや店頭業務をしていない方にも投票権があるのが特徴です。一次投票でベストテンに絞り込み、その作品をすべて読んだ人が決選投票を行って大賞を決めます。いわば、最前線から版元や著者へ送るラブレターのようなものですね。

―2008度の本屋大賞は?

伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』に決定いたしました。じつはこの伊坂さんはとるべくしてとったという方で、第一回目から今年まで連続で決選投票に作品が残っている唯一の作家さんなんですね。我々はミスター本屋大賞と呼んでいるくらいです(笑)。授賞式はタイトルと同名のビートルズの曲を流して盛り上がりました。そう、授賞式といえば、忘れられないのが第一回大賞の『博士の愛した数式』の作者・小川洋子さん。まだ海のものとも山のものともつかなかった本屋大賞の授賞式に、神戸から駆けつけてくださったんです。そのおかげで本屋大賞が世間に認知されたのですから、本当に大功労者です。

―神保町の書店について

やはり、神保町といえば書店の聖地というイメージがあります。新刊書店も古書店も、とにかくすごい数の本屋さんがありますから。こういう町は世界にも例がないそうですね。だから、神保町は常に元気であって欲しいと思います。ここに活気がないということは、出版業界に元気がないってことですから。最近は『本と街の案内所』もできましたし、なにかと話題も多いようで嬉しいですね。個人的にも大好きな街です。古本屋さんのワゴンをのぞきながら歩くのも楽しいし、『いもや』とか『餃子屋』といった若い頃から通っている美味しいお店もたくさんあります。

―フリーペーパー『LOVE書店』とは?

「本屋ってすごく楽しいんだよ」ということを知っていただくため、さまざまな企画を考えながら年に3回を発行しているフリーペーパーです。先月末(08年7月)で8号目になりました。全国の書店に12万部を置いているのですが、おかげさまで好評で、すぐ品切れになってしまうという嬉しい悲鳴も聞いております。作家の田辺聖子さん、漫画家の業田良家さん、デザイナーの寄藤文平さんなど、豪華な面々が仕事抜きで協力してくださり、面白いものに仕上がっておりますので、ぜひお手にとってくださいね!




以前は読書嫌いだったという杉江さんが10代の終わりに出会ったのが村上龍の『69 sixty nine』。以来、熱烈な読書人に変身したとか。

2008年本屋大賞は、伊坂幸太郎著『ゴールデンスランバー』。直木賞候補に挙がっていたものの著者が辞退。本屋大賞の名著として語り継がれることに!

2008年本屋大賞授賞式。ノミネート作家の方をはじめ、全国からたくさんの書店員が会場に駆けつけてお祝いしました。

これが噂のフリーペーパー『LOVE書店』。大人気ですぐになくなってしまうとのことなので、見つけたら即ゲットするべし!

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    120年以上の歴史を誇る老舗で、全国に支店を持つ大型書店の代表格・三省堂書店の総本山。神保町にやってきたらまずはここから「本探し」をスタートするという方も多い。
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