―― 今年4月から神保町花月の支配人になった加地さんですが、就任前の神保町花月のイメージとは?
「僕が千原兄弟を担当していた時に、この劇場の立ち上げで行われたブックフェスタイベントにジュニアさんが出演したんですよ。その時に初めて神保町花月に来たんですが、ジュニアさんが“なんで吉本の事務所って、できたばかりやのに何年もつかってる感じになるんやろなぁと”確かに吉本あるあるやなと思ってました(笑)」
―― 過去に見た公演は?
「ピース主演の『凜』です。面白かったですね。実は僕、芝居のことがよくわからなくて……。ネタに関しては、マネージャーをやって5年目で、やっと話せるくらいになったんです。でも芝居は別もの。吉本には古くから新喜劇という芝居がありますが、これをプロデュースするには3〜4年かかる、と言われたんです。今からそんなにかける時間はないから、一生芝居に関する仕事は無理やろうと」
―― そんな加地さんが神保町花月の支配人になったということは、新風が吹きそうですね。
「超ミスキャストでしょ(笑)」
-- いえいえ! さて、その神保町花月がめでたく2周年を迎えました。
「最近出てきたはんにゃやフルーツポンチは、この劇場にヘビーローテーションで出演していたコンビなんです。彼らのネタからは、演技力や表現力が伺える。それは神保町花月で培ったものもあると思うんですよね。コントをやる芸人は一度芝居をやると、ネタに還元できます。そういう効果もありつつ、この劇場で100本以上お芝居を作ってきたことは大事だと思いますし、今後はもっとアウトプットしていきたい。外の評価が実情に追いつくようにするのが僕の仕事でしょうね」
―― どんなアウトプットをお考えですか?
「大きく言えば、神保町花月でレギュラー番組を持つ、とかですね。テレビサイズにしては意味がないので、2時間ノーカットで芝居をまるまる放送してもらいたいんです。例えば神保町花月で脚本を書いてる芸人さんなどは、オファーさえあれば深夜ドラマの脚本が書ける。そういう仕事につなげてあげたいし、演者側がこの劇場をきっかけに他の劇団・劇場から出演依頼が来たり、ドラマの仕事が増えるようにもしたいですね」
―― 2周年記念公演を無事終えましたが、今後の神保町花月の展開は?
「8月は思い切って超若手にやらせてみようと。アップダウン以外は全組、初主演のフレッシュ月間です。あと、女子大生キャンペーンをやっていて、ふたりで来ると2割引になります。さらに神保町で有名なボンディのカレーが食べられるオールナイトイベントが14日、21日にあります。ぜひこれを機に、まだ神保町花月に来たことない人にも足を運んでもらいたいですね」
―― 最後に、加地さん自身が神保町花月で仕事をお願いしてみたい人は?
「そうですね……蜷川幸雄さんに演出をお願いして、芸人とスタッフ全員で蜷川さんに怒られるとか(笑)。冗談はさておき、ライスという若手コンビなんかはネタに自分達だけの世界観があるので、彼らの活動の中に演劇を取り込むのもいいかな。あとは脚本を書ける芸人をもっと発掘したいですね。彼らが書いた脚本を、僕が勝手に一般で開催されている脚本賞に送ってやろうかなと(笑)」
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キッチンマミー
「揚げ物がめっちゃ出てきて、だいぶイカツイです(笑)。ただ、揚げ物のひとつひとつがめちゃくちゃうまい! ああいうおばちゃんがやってる店って、やっぱりうまいですよ」
住所:神田神保町2-28
電話番号:03-3262-6659
営業時間:11:30〜14:30
定休日:日・祝