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東京古書会館の自動ドアをくぐり、おそるおそる階段を地下へ下ると……
ほんのりとしたコーヒーの良い香りと、壁一面に並んだたくさんの古書!   
  「アンダーグラウンド・ブック・カフェ」と呼ばれるこの地下室では、古書の展示販売をはじめ、雑貨フェア・ワークショップ・フォトギャラリーなど、複合的なイベントが随時、催されていています。
  私が伺った5月28日は、「地下室の古書展」と呼ばれるトークショーの開催日。神保町に闇が降りた午後7時すぎ、小説家の京極夏彦さんを迎え、初夏の妖怪対談がはじまりました。

アンダーグランド・ブック・カフェ〜地下室の古書展〜Vol.9
書痴、〈異〉なる本を語る―
〈異〉の世界シリーズ第一期完結記念

  • 日時:2007年5月28日(月) 19時〜
  • 場所:東京古書会館
  • ゲスト:東雅夫(アンソロジスト、「幽」編集長)
    京極夏彦(小説家、〈異〉の世界アドバイザー)天野行雄(造形作家・イラストレーター@日本物怪観光)
まず驚いたのは、ゲストと客席の至近距離! こんなに近くで、大作家のお話が聞ける機会など、めったにありません。  しかもトークは一環して、とても和やかなムード! まるで"友人宅に集まっての趣味談義”に参加しているようなアットホーム感です。

  「妖怪や幽霊は、民俗学でも動物学でも人物学でもない。どこにもおさまらない”異なもの”だよね」と話す京極さん。東さん、天野さんと共に、各々が持ち寄った"お宝・妖怪本"を紹介しながら、「昔の妖怪本はうそつき!(笑)アマビコという妖怪が、間違えてアマエビと印刷されていたりね」とユーモアたっぷり! 会場は終始、笑いに包まれます。

 しかし残念なことに、こうした妖怪・幽霊の本は、今はほとんど手に入らないのだそうだ。「名著と呼ばれた本でさえ、今はほぼ絶版状態。古書でも手に入らないものが多い。それらを、どうにか今の時代に蘇らせることはできないか…と、僕は”読者代表”として中公文庫にお願いしたんです」と京極さん。そして、自らアドバイザーとして関わり、完成したのが中公文庫BIBLIO「〈異〉の世界シリーズ」全14冊。

 「せっかく今の時代に再版するのだから、著者の思いを変えることなく伝えたい。プラス、今の時代に読みやすい配慮、データの正確性やルビ・索引の付与など、そうゆう部分には大いにこだわりました」 京極さんの、著者への敬意、読者への配慮、妖怪・幽霊への熱い思いが伝わります。
「本は売れないと絶版になってしまうもの。手に入らなくなるとおしまい。だから本は買ってなんぼ! 苦労してでも買ってほしいものだよね」と京極さん。

 「本の楽しみは中身だけじゃない。新しい文庫本をきっかけに、ぜひ原典や初版本もあたってみると、さらに面白いと思う。装丁、製本、判型、紙質が異なれば、それはまた別の本としての味わいがある。散歩がてら古本を探すのも楽しいですよ」

 作家として、また古書を愛する者としての”本への思い”が溢れる、神保町ならではのトークショー。最後は参加者全員に、天野さんのオリジナルポストカードをプレゼント! さらには、ゲスト3名のサイン本が購入できる特典付きで、大満足の2時間でした!
▲とても広々とした地下室!
 
▲会場には20代の若い女性の姿も多く見られます。ゲストがすぐ目の前です!
 
▲和服にトレードマークの手袋姿の京極さん。
 
▲中公文庫BIBLIO「〈異〉の世界シリーズ」。色とりどりの装丁も目を惹きます。
 
▲「漢字一文字」が書かれた京極さんのサイン。
 
▲天野さんのポストカード。
一枚はこの日のための描きおろし!
神保町ならではのイベントが体験できるこの「アンダーグランド・ブック・カフェ」。
次回の情報などは、是非こちらでチェックしてみてくださいね!
 
★アンダーグラウンドカフェの情報はここでチェック!
地下室の古書展(http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/)
 
★神保町の古書のことならこちら!
BOOK TOWN じんぼう(http://jimbou.info/)
   
関連リンク  
★京極夏彦さんの公式HP 大極宮(http://www.osawa-office.co.jp/)
★東雅夫さんの公式HP 幻妖ブックブログ(http://blog.bk1.co.jp/genyo/)
★日本物怪観光通信 大極宮(http://www.mononokekanko.com/index2.html)